なぜ瞑動でいのちの創造性を開けるのか？―瞑動の脳科学<br />ヒマラヤからの提言３<br />世界中のみなさん！<br />コロナウイルスの猛威は世界中に急速にひろがっています。<br />ここヒマラヤ・インドの小さな町ダラムサラでも、とうとう一人目の死者が出てしまいました。<br />医療施設が十分でないインドでは、３週間のロックダウンが実行されています。<br />交通・市場を封鎖し、１３億人の人口全員が外出・集会を禁じられ家に閉じ込められています。<br />みなさんの地域ではいかがでしょうか？ その困難な状況に深く共振いたします。<br />先日のヒマラヤからの提言１と２では、瞑動という「動く瞑想」をご紹介しました。<br />瞑動は、こんなふうにからだのどこかが何ものかによって動かされると想像し、動かされるままに付いていくというものです。<br />第３回目の今日は、瞑動とはどんなものであるのか、最新の脳科学でご説明したいと思います。<br />わたしたちの脳は、この図のように開いているチャンネルによってその活動場所が分担されています。<br /> <br />例えば考え事をしているときの脳は、この図のように脳の前の方「前頭前野」とよばれるところが活性化しています。<br /> <br />音楽を聞いているときは、脳の横の「側頭野」というところが活性化します。<br />ものを眺めているときは、後ろの「視覚野」というところが活性化するわけです。<br />２０世紀の始め、これまでぼーっとしている状態の脳は、何もしていないと思われていました。<br />ところが、このボーッとしているときの脳は、じつはこの図のように脳全体の多くの場所が活発に活動していることが発見されました。「デフォルト・モード」と名付けられています。<br />ボーッとしているときはみなさんも体験されているように、頭の中であれこれのことを思い浮かべてはまた別のことに移り変わっていきます。「マインド・ワンダリング」とも名付けられています。<br />瞑想しているときの脳を調べたところ、この「デフォルト・モード」、「マインド・ワンダリング」同様。脳内の「運動野」以外のあらゆる場所が活性化していることがわかりました。瞑想のなかでさまざまなクオリアを感じて次から次へと旅をしていることを示しています。<br /> <br /><br />これに対して「瞑動」時にはどうでしょうか。まだ実験で証明されたわけではありませんが、下の図のように瞑想時には活性化していなかった、脳の上の前方にある「運動野」も含めて、脳全体が活性化されることが容易に想定できます。<br />これまで「瞑動」をやってみた方なら分かるように、ありとあらゆる異なったクオリアが次々と浮かび、次から次へと変容していくことを体験なさったことと思います。<br />そうです、からだを動かす「瞑動」中には、心身の奥深くに眠っているありとあらゆるクオリアが活性化し、それらが出会って、新しいクオリアがどんどん生まれていきます。<br /> <br />「瞑動」によっていのちの無限の創造性が開かれるのは、このような仕組みによっています。からだのどこかの部位が動くクオリアが、小さい頃みた夢のクオリアと出会って、新しいクオリアが生まれたり、からだの別の部位のクオリアが、忘れていた記憶と出会ってあたらしい動きが出てきたりします。<br />このクオリアとクオリアが出会って、新しいクオリアが生まれる仕組みを＜共振創発＞といいます。<br />二回目の提言でご紹介したように、ピンクのクオリアと象のクオリアが出会って、勝手に「ピンクの象」のクオリアが生まれるのを体験なさったことと思います。<br />このように、意識ではなく、クオリアとクオリアが勝手に出会って、＜共振創発＞によって新しいクオリアが生まれる。――これがいのちの持つ無限の創造性の秘密です。<br />どうか毎日１０分でも２０分でも瞑動を続け、眠っている創造性を開いてください。<br />誰もが、世界中でたった一人の創造者になることができます。<br />どうか現在のコロナウイルスによってもたらされた、隔離状態の中で、「退屈だ」とか、前の生活に戻りたいという気持ちに囚われるのではなくて、この隔離状態を逆に利用して、マイナスをプラスに転化させる瞑動で、あなたのこれまでの生き方を変えるようなヒントを見つけてください。このパンデミックが終わって自由に旅行することができるようになったいつか、このヒマラヤでお会いできることを願っています。<br />ご視聴ありがとうございました。<br />これはまだまだ続いていきます。お楽しみに！<br />
